Page:Kokkaron1905.djvu/56

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し得べしと。然れども一切人民に付て一切の自由を束縛するは出來得可らざるなり。之れ常識ある者の一考して明かなる所なり。果して然らば則ち國家組織が社會の全般を蔽ひ國家即社會たること固より出來得可らざるなり。

今他の譬喩を以て國家は社會の一方面に過ぎざることを明にせん。

假りに國家組織の外に全人民を司配する一大宗敎ありとせん。人民は敎義に從ひ、或る種の行爲をなしつゝある可し。之と同時に種々の職業を撰擇し、種々の事業をなしつゝあるなり。若し宗敎組織が詳密にし