Page:Kokkaron1905.djvu/52

提供:Wikisource
このページは校正済みです

社、信仰の如き是れなり。主權者は此方面に於ては個人の意志を束縛せざるを言明す。吾人は某の結社を作り某の書籍を印行せんとし其法律にて許されたるや否やを知らず。硏究の末其法律上認められたるを知り、之を作るが如きは前己に特別なる動機あり、主權者の束縛なきを見て之を實行せるなり。即ち主權者の個人意志を拘束するは一部分にして個人意志作用の全體にあらざるなり。個人意志の全作用を拘束せんとするは到底不可能のことなり。即ち多くの個人的自由は個人意志の猶享受する所なり。

憲法に結社、印行、信仰の自由を有すとあるを以て個人