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Page:Kokkaron1905.djvu/20

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雖も絕對的にAに結合せられ居るにあらず。時として多少背離の傾向なき能はず。Cの如きに至ては固より背離の傾向あるを免れざるなり。DEは反對なる者なり。凡そ意思は時々刻々活動し居る者にして或は背離せんとして動き。或は服從して動く。服從せんとする意思が重く、且つ自己以外多くの同樣なる意思あるとの智識を伴ひ、之れが爲め背離せんとする意思は禁遏せらる。一個人の精神裡に於ける服從せんとする意志が主權の原素なり。背離せんとする意志が各個人の精神中に於て有力となる時は其の主權は敗壞せざるを得ず。