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Page:Kokkaron1905.djvu/10

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等を以て個人信賴の根本となし居るなり。唯個人の信賴は心理作用なり。心理作用が永續する時は終に習慣的反射的となる。從つて習慣的にその英雄の子孫を戴くか又は他の英雄を戴くか何れにもせよ一切の人民は一の主權者を戴く可きものなりとの反射的心理作用を生ずるに至る。ノビコー曰く佛蘭西人民のナポレオン皇帝に服從せしは反射作用なりしと(Conscience et Volonté sociale.)。 斯の如く主權者は其の始めに於ては人民の信賴より權力を有したりしも後世の人民は反射的に主權者として戴くことあり。神武天皇は其血統の勝り居るに