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のであつたから、たゞ神の攝理のみがその祝福によつてこれを可能ならしめることを得たのだと考へられる。

 今日余は、世界最强の陸軍、最大の空軍及び誇りある海軍を統卒してゐる。余は余の背後、余の周圍に一致團結せる黨のあることを知つてゐる。この黨と共に余は大を爲し、黨は余を通じて大を爲したのである。余の目前に見る敵は、二十年來周知の仇敵である。しかし余の前途に橫はる道は、過去において踏んで來た道程と比較すべくもない。ドイツ國民は、今や、その生存の決定的瞬間に立つてゐることを認識してゐる。幾百萬の兵士は、最も困難なる條件の下に、從順忠實にその義務を遂行してゐる。又幾百萬のドイツ農民及び勞働者、並に婦人たちは、工場に營業所に田畑に、各々額に汗して銃後のためにパンを作り、戰線のためには武器を製作してゐる。更に我國と盟を結べるものは、我々と等しき苦惱を抱き、我々と同じ敵を持つ强力な國々である。アメリカの大統領とその全權主義的徒輩は我々を持たざる國と命名したこれは正しいしかし持たざる者も生きんと欲するものであり又生くるために僅かに