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所有してゐるものまで持てる者たちに奪はれることを絕對的に阻止せんとするものである

 黨員諸君! 諸君の知らるる如く、余は一度び始めた鬪爭を最後まで成功的に鬪ひ拔かんとする斷乎たる決意を有するものである。諸君は皆、余がかくの如き鬪爭において何事をも恐れず、必要とあらば如何なる抵抗をも排する意志を有するものなることを知つてゐる。

 余は諸君に對し一九三九年九月一日の演說において、今次の戰爭においては、兵器の力も時間の力もドイツを屈服せしめ得ないであらうと保證した。余は余の敵に對しても保證したい。兵力や時間が我々を屈服し得ないばかりでなく、何らの內部的疑感も、只管に義務を遂行せんとする我々を動搖せしめ得ないといふことも。もし吾人にして戰線にある兵士の犧牲、彼等の爲せるところに思ひを致すならば、銃後の犧牲の如きは全く論ずるに足りない些少なものである。しかし、すでに我々より前の世代にドイツ國民の存立と偉大さのために斃れた凡ゆる人々の數を考ふるならば、我々はこ