Page:Iki-no-Kozo.djvu/98

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の主󠄃調を明かにし且つ保つ役をする。軀幹、肩、頸、首、腕、手、指は心的表現の道󠄃具󠄄である』(Albert Maybon, Le théâtre japonais, 1925, pp. 75-76)。我々はいま便󠄃宜上、「いき」の身體的發表を自然形式と見て、舞踊から離して取扱つた。しかし、なほこの上に舞踊のうちにあらはれてゐる「いき」の藝術󠄃形式を考察することは、恐らく「いき」の自然形式の考察を繰返󠄄へすことに終󠄃るか、またはそれに些少の變更󠄃を加へるに止まるであらう。