Page:IP Editors report (Japanese).pdf/4

提供:Wikisource
このページは校正済みです

匿名性と日本文化

  • 匿名による貢献は日本文化における恥[訳注:の文化]]と真の寛大さの表れである
  • 日本のインターネット文化において匿名性に人気があるのは、オンライン掲示板の2ちゃんねる[訳注:現在は5ちゃんねる]が大きく影響している。
  • 経験の浅いウィキペディアユーザーはオンラインのコミュニティーを敵意の温床だと感じている。それは、メンバーがログインしていようとそうでなかろうと無関係である。
  • ウィキペディアにおいて匿名性は、(個人の特定につながるような)個人情報を極力出したくないユーザーにとっては特に重要である。
  • インターネットでの匿名性は、対立のあるトピックで気軽に対話したり本音を話すことを促進している。
  • ウィキペディアでは匿名性があるために、ユーザーは論争に巻き込まれることなしに関与することが出来る。これは、典型的な日本人が対立を避けようとするように、日本人のパーソナリティに合致している。

匿名性は、日本人や日本のインターネット文化の、直接的な物言いを避けるという複雑な特性です。文化的には[訳注:露骨な、あるいははっきりとした言い方をしないことが]好まれ、インターネットのコミュニティーではカギとなる特徴です。

現実生活において日本では匿名での貢献が、見返りを求めない無私で謙虚な行為として何度もとりあげられてきました。例えば、2010年代初頭にあった孤児院への匿名での寄付があげられます。これはメディアでずいぶんと持ち上げられました。

IP編集者の中には、ウィキペディアへの貢献を一種の慈善だと見なしている人もいる。彼らはただ良かれと思ってやっている。彼等は自分のやったことに対して見返りを求めない。

善意のIP編集者を好ましいものとして語る、ウィキペディアのあるログインユーザー

匿名性は、日本のインターネット文化の決定的な特徴でもあります。ウィキペディアの編集者の中には、日本語版ウィキペディアコミュニティーの基礎だと言う人もいます。ウィキペディアの編集者は、インターネットで匿名性が標準となった主たる原因としてはっきり、2ちゃんねる(1999年発祥の日本で最大のオンライン掲示板)をあげています。なぜ日本語版ウィキペディアでIP編集が多くみられ、それを問題視しないのかの理由として、編集者たちは、2ちゃんねるのようなサイトをあげます。