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「一部の編集者が党派を作っていて、対立を引き起こしています」

Q:敵対的なコミュニティの力学とIP編集との間に関係があると思いますか?

「まったくないと思います」

「コミュニティが敵対的なのはIP編集と深く関係していると思います。前向きな議論をしたくても、可変IPアドレスのために、ログインユーザーに比べて[訳注:他の]編集者がコミュニケーションを取りにくい。また、多くの場合、IP編集者は一度だけウィキペディアに書いてそれでやめてしまうということが普通です。IP編集者のためにコミュニケーションは不十分で、そのために対立が生じています。」

「はい。無視できないほど多くのIP編集者がいます。」

Q:編集の際にログインを強制することに意味があると思いますか?

「ログインを必須にすれば、自分は編集をためらうだろうと思います。」

「ウィキペディアに貢献する量が減るだろうと思います。」

「ウィキペディアに新たに参加しようという編集者にはハードルが高くなるかもしれません。参加することに後ろ向きになるかもしれません。」

「無意味です。日本語版ウィキペディアは意義ある編集を失うことになるでしょう。」

「内容の改善のためには必要かもしれません。」

Q:編集することのモティベーションは何ですか?

「私の場合、多くの人が記事を読んでくれたり材料を利用してくれることです。悪意のある編集者に悩まされることなく編集できることは、モティベーションを維持するうえで重要なファクターだと思います。」

「私の貢献に感謝する人たちがいることを知っています。私の持っている知識で他の人たちを助けることができることを知っています。」

「自分の専門分野で誤った情報があるのが嫌いなので、直しています。」

Q:日本の[訳注:ウィキペディアの]コミュニティに役立つと思われる、荒らし対策のためのツールについて何か考えられますか?

「日本語版ウィキペディアのユーザーがTwitterや5ちゃんねるに投稿している、荒らしや不適切なユーザーの情報。荒らし対策に多少役に立っています。もちろん、情報が正しいのかのチェックは必要ですが。」

「いいえ。荒らし対策はマンパワーに頼っています。」

「ウォッチリストや、多くのIP編集者が加筆したことを示す、最近加筆された記事の通知」

「そのようなものはありません。現在のAIの発展の状況では、自動翻訳すらあまり精度が高くなく、自動で荒らしに対処できるプログラムを作るのはチャレンジングなことだと思います。たとえそのようなものがあったとしても、判定ミスがあるのは確かで、その被害に遭えばユーザーは気が動転する以上のことになるでしょう。」

Q:日本語版ウィキペディアでログインすることなしに編集できることが、荒らしが生じるファクターに寄与していると思いますか?なぜそのように思うかの理由を聞かせてください。