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最初は記事を書く時のコツを聞いていましたが、編集に慣れてからはコミュニティを拡大する議論を熱心に始めるようになりました。」

「自分で調べ物をしてブログに書いたとしても、サイトはいつかなくなるだろうし、それでは努力が水泡に帰すので、ウィキペディアに書いたほうがましだと思ったから。」

「興味のあったトピックが不十分にしか書かれていなかったから。」

「1人の人間だけでは記事を完成することは無理だから。編集者が協力することが必要です。」

「自分の専門分野のトピックで誤った情報が書かれているのがいやだから。」

Q:日本語版ウィキペディアでログインしたがらない理由として他にどんなことが考えられますか?

「編集で何か訂正されると恥ずかしかったり、不利だったりするから」

「情報流出を避けるため」

「ログインするのに手間がかかりすぎる」

「他の編集者との対立を避けるため」

「ある程度の経験のある編集者の多くは、編集に人目を気にするようになるように感じます。トラブルになる状況を避けたいのが原因です。」

Q:日本語版ウィキペディアについて何か知っておくべきことはありますか?日本の文化における匿名性について教えてください。

「日本のインターネット文化では、インターネットの匿名性について2ちゃんが基礎を築いたのです。」

「匿名であれば、インターネットでネガティブな内容を投稿するのはより簡単になります。」

「Youtubeであれば、普通は嫌がらせをするユーザーはいないのでコメント欄でユーザーネームが見えても抵抗はありません。しかし、ウィキペディアの場合、ログインすると他のユーザーが攻撃しやすくなると思います。」

Q:ウィキペディアで匿名性とは何を意味しているでしょうか?

「私の理解では、方針に従い他の人に敬意を払う限り、自由に編集、発言し、かつ安全に暮らせるために必要なシステムです。しかし、同時に乱用されるシステムでもあり、メリットとデメリットのバランスはとりがたいです。」

「匿名で記事を編集すれば、編集者とアカウントとを関連付けることは出来なくなるでしょう。これが意味するところは、現実生活の個人と関係づけられたくないということです。」

「多くのユーザーは継続的にウィキペディアに貢献するつもりはないのでアカウントを作ろうとはしません。」

Q:コミュニティの力学について何か知っていることがありますか?コミュニティは協力的でしょうか、それとも競争的[訳注:原文はcompetitive]でしょうか?

「他のユーザーと接触したことがないので、わかりません。」

「記事に関わる編集者の数が増えればそれだけ対立が増えます。」

「問題を引き起こしやすい記事では、編集者間で意見の不一致が見られるため敵対関係が生じやすいです。」

「熱心なファンがいるセレブに関する記事では、対立がよく起こります。」