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Page:Hadaiusu(Kirishitan shiryō).pdf/17

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魔法の前の是非は、是非共に魔なるべきこと、何ぞ猶豫に及ん乎。

   七 段

提宇子の云、右の六段、この宗の敎の專用なり。段々能く納得あらば、受法有べし。受法の後は十箇條のマダメン〈一本ンノ下トノ字アリ〉とて、十の法度、是を守らずんば有べからず。其第一には、Ds御一體を万事に越え、大切に敬ひ奉るべし。第二、Dsデウスの御名に掛て、空しき誓すべからず。第三、ドミンゴとて、七日め七日めを用ひ勤むべし。第四、父母に孝行すべし。第五、人を殺すべからず。第六、邪婬を犯すべからず。第七、偸盜すべからず。第八、人に讒言をなすべからず。第九、他の夫妻を戀慕すべからず。第十、他の財寶を濫望すべからずと云ふ、是なり。この內第一のマダメント、万事に越て、Dsデウスを大切に敬ひ奉るべしとは、主人よりも父母よりも、此Dsデウス〈一本御內證ノ上猶重ジ奉テDsノノ七字アリ〉御內證に背く義ならば、主をやの命にも隨ふべからず。身命をも惜むべからず。如何に况や其餘に於てをや。さて又受法の時、名をつくることあり。是は古Dsデウスの御內證に叶ひたる善男子善女人の名なるを、今面々につきて、其善人を尊前の御取成手と賴奉るべき爲なり。又塩をなめさする義あり。塩は味のなきものに味を付る物なり。其如く後生の味を今付るぞとの表式なり。又燈に手をかけさするは、眞の光を見付たりとの表式なり。さてエゴテバウチイゾインナウミネバチリスエツヒイリイエツスヒリツスサンチトの要文を唱へ、