Page:HōjōTamio-Diary-Kōsei-sha-2003.djvu/50

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 十二時、散薬。牛乳一合。

 午後三時半、粥一椀、馬鈴薯小量、梅干半ケ、大根オロシ小量。

 四時、散薬服用。(下痢止メ)

 六時、散薬服用。(白頭土ナレバ片栗ニテ服用)

 体温、午前、三七度六分。午後、三七度八分。


 十一月三日。

 今日は明治節なり。故に朝から白飯にて閉口す。

 七時三十分、朝食。飯一椀、ミソ汁一椀。散薬服用。(下痢止メ)

 昼食は食はず。

 十一時半、リンゴ半ケ、牛乳一合。散薬。(白頭土ナレバ片栗ニテ)

 一時三十分、散薬。(下痢止メ)

 二時十五分、葛ニテ白頭土服用。

 三時半、夕食。散薬服用。

夕食ハ赤飯 (アヅキ飯) ニテ、更ニ豚肉トアツテ閉口。シカシ他二食フ物ナイノデ赤飯半椀。

サカナ四キレ。コレハ昼食ニクレ夕刺身ナリ。コレニ熱湯ヲ注ギ、大根オロシニテ食ス。

 六時半、白頭土ヲ葛ニテ服用。

 午後、頭重し。

 衰弱更に加はりたるが、便所に通ふ以外はベッドより降るのが頗る苦痛なり。

 夜、熱が幾分下つたらしく、久々に新聞を見る。記事凡て読み尽し、広告も全部見る。うち、食料品の広告に最も興をそそらる。

 体温、午前、三七度五分。午後、三八度二分。


 十一月四日。

六時、洗眼。

朝食。(七時二十分)

粥一椀、味噌汁一杯。

散薬。(八時)

白頭土。(九時)

昼食。(十一時)トロロ汁にて粥が出ず。

 麦飯一椀、トロロ一椀、牛乳一合。

散薬。(十一時半)

白頭土。(一時)

夜、粥一椀、ナッパ煮三箸、梅干半ケ。

散薬。(四時)

白頭土。(六時)

リンゴ一ケ。(十時)

幾分良し。


 十一月五日。

 本日はいささか悪食せり。注意すべし。

 朝食、粥一椀、味噌汁一椀、椎茸光タク煮二キレ。散薬。白頭土。

 昼食、粥一椀、味噌汁一椀、卵ーケ、椎茸一キレ、リンゴ一ケ。散薬。牛乳一合。(十二時)

 白頭土。(一時半)

 夜、粥一惋、梅干一ケ、大根煮四五キレ。散薬、白頭土。

 自殺は考へるな。

 川端先生の愛情だけでも生きる義務がある。治つたら潔よく独りで草津へ行くべし。なんとかなる。自意識のどうどう廻りは何の役にも立たぬ。行動すべし。実行すべし。


 十一月六日。

 朝食。(七時半)

 粥半椀、梅干半ケ。(食慾ナシ)

 散薬、白頭土。(九時)

 昼食。(十時半)

 粥半椀、梅干半ケ、豆腐小量。

 散薬。(十二時) 牛乳一合、林檎汁小量。

 十時頃、於泉信夫が、母より送つて来たものだと言つて、柿を八個持つて来てくれたが、一個も食はず。全部隣りの病人にくれてやる。


 十一月七日。

 久々の晴天にて気分良好。腹工合もかなり良い。一週間の努力の効か。今月一ぱい今の調子にて頑張るべし。さうすればきつと治る。

 新宿三越より「かんづめ」発送の通知あり。創元社の小林氏よりの贈物なり。深く小林氏に感謝す。早く原稿を書いてこれに報ゆるべし。


 十一月九日。

 小林氏より書簡あり。かん詰発送の通知なり。変らぬ氏の厚情に深く感謝す。

 小林氏、川端先生等の親切な心を思ふ度に、自分は父