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る。七日の戰にあづかりて功あり。是に於て、西南の諸︀侯、おくれ至る者︀相繼ぎて兩公 に謁︀す。兩公、大阪の金を收め、井伊、藤堂氏に金馬の大鈑おほはん千枚にあたひする者︀、各 二を賜ふ。六月、大阪を松平忠明に賜ひて、十萬石をましむ。松平忠明忠明、荒廢を修 め田里を經し、期年にして殷富いんふうもとの如し。

賞罰を議す十五日、前將軍、入朝して成事を吿げ、白金千兩を獻ず。二十八日、將軍、二條 に來りて賞罰を議す。直孝、高虎に、各五萬石を加封す。後、並に三十萬石に至 る。水野勝成水野勝成、敎旨に違ひて、かろしく自刄を接す。故に賞せず。後、郡山こほりやむに封ぜ られ、遂に備後の福︀山ふくやまうつり、十萬石をむ。本多政朝本多忠朝、事に死す。子なし。兄 忠政の子政朝まさともを以て封をがしむ。小笠原忠眞小笠原忠眞たゞざね、父秀政の封を襲ぐ。榊原康勝、 やうはげしくしてしゆつす。大須賀忠次は、實は康勝の兄の子なり。命じて本姓に復し、 其封を襲がしめ、大須賀氏の衆を以て、賴宣に屬す。藤田信吉の軍機を失ひしを 責めて、其邑を收む。池田忠雄池田忠雄に兄忠繼の封を襲がしめ、其奮封を以て、蜂須賀 至鎭に賜ふ。少將忠直、從三位に遷り、參議に進む。前田、伊達、淺野氏、みな 官爵を進む。前將軍の季女の蒲生氏に寡たりし者︀、再び淺野氏にとつぎ、次年に至

りて婚を成す。