Page:Gunshoruiju27.djvu/349

提供:Wikisource
このページは校正済みです

みるかひなき物。いろくろくやせたるちごのかさいでたる。ことなることなきおとこのゆく所おほかる。物むづかりする。かたちにくさげなるむすめ。

あてなるもの。うす色にしらがさねもあてなり。梅の花に雪のふりかゝりたる。かりのこ。けづりひ削氷にあまづらいれて。かねのつきにもりたる。すいさうのずゝ。ふぢの花。うつくしきちごのいちごくひたる。さしかけ。

まづしげなる物。あめうし黃牛のやせたる。ひたゝれのわたうすき。あをにびのかりぎぬ。くろかゐのほぬにきなるかみはりたるあふぎ。ねずみはみたるゑぶくろ。かうぞめのきばみたるかみにあしきてをうすずみにかきたる。

ほいなき物。あやのきぬのわろき。みやたてたる人のなかあしき。心とほうしになる人のざえなくてきよからぬ。思ふひとの物がくしする。とくゐのうへそしる。冬のゆきふらぬ。

したりがほなる物。こゆみいるにかたはらなる人のまぎらはししはぶきなどするに。ほゝえまるゝを念じて。おなじき物ををとたかくいあてたる人のけしきこそ。いみじくことしろしたるさまなれ。又こわきもののけうつしえたるげんざの氣色。正月ついたちの日。つとめてさいそにはなひたる下らう。よろしき人はさしも思ひたらず。ゐんふたぎいひあてたる人。きしろふ人あまたあるたびのくら人にこなしたる人の氣色。ぢもくにそのとしのいちのくにになりたる人。よろこびいひに人のゆきて。いとかしこくなりたまへるなどいふ。いらへはなにかはとことやうにほろひなりて侍ればなどはいへど。いとしりがほなり。またけさう人おほかる人のむすめに。えりてよせられたる