Page:Gunshoruiju27.djvu/348

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なをつゐにみえでやむこそありがたけれ。又物がたり集などかきうつすに。本にすみつけぬこといとかたし。よきさうしなどは。いみじう心してかけど。かならずきたなげにこそあるめれ。おとこおんなをばいはじ。女どちもながらへてたがはぬこといとかたし。又かいねりうたせたるに。つやうぢめ思ふやうにて。うることかたし。

あぢきなき物。わざと思ひたちてみやづかへにいでたちたる人のことにものうがりてさとがちなる。とりこのかほにくさげなる。しぶに思ひたる人をしゐてむことりて思ふさまならずとなげく。ことゐ中へゆく人のたよりぶみこひて返きてよろし。いたはりなるよしいひてはらだつ。

心地よげなる物。うづえのことぶき。かぐらの人長。ごらう御靈ゑのむまおさ。いけのはちす。むら雨にあひたるくゞつのこととり。

おほきにてよき物。ふくろ。ほうし。くだ物。うし。松の木。おのこゞのめ。いとほそきは女びたり。又かなまりのやうなるもおそろし。火おけ。ほうづき。やへ山ぶきの花。むまもよきはおほきにぞある。

みじかくてよき物。とみの物ぬふいと。下す女のかみうるはしうぞあるべき。とうだい。人のむすめの聲。

人の家につぎしき物。ひぢおりたるらう。わらうだ。三尺の木丁。火ろ。おほきやかなるどう女。ずいしこどねり。こんのたれぬの。さぶらひのくりやさうしも。をしき。かけばん。ちうのはん。をはゝき。ついたてさうじ。さうぞくよくしたるゑぶくろ。からかさ。かきいた。たなづし厨子

さかしき物。いまやうの三とせご。げすの家のおんなあるじ。はらとりのおんな。