Page:Gunshoruiju27.djvu/331

提供:Wikisource
このページは校正済みです

りつかはすがことなり。たれもいととりのあとのやうにしもやはある。されどとりわかせ給はなをことなるにこそはと見ゆれば。あつまりてたはぶれにもねたがりいひうらやむなり。うち。春宮の御めのと。うへの女ばうなどのいづくにもないけゆるされて。うちかよひまいりたるもうらやましかし。寺つくりいでて三まいなどして。よひあかつきにごわう大じといのらるゝ人。かぎりなくうらやまし。又まことにこの世はなれたりとみゆるひじり。いとうらやまし。いとさばかりのきはにはあらねど。すぐろくうつおり。かたきのさいきゝたるこそうらやましけれ。下らふのなかには。女はとのもづかさ。おとこはずい身ぞあやしう。さてもありなむかしとうらやましうおぼゆれ。

とくゆかしき物。むらごくゝりぞめ。まきぞめなどそめはてたる。人のこうみたるおのこゞ女ご。よきひとのはさらにもいはず。たゞことなる事なきげすなどのさへこそゆかしくて。なにぞとはとはるれ。ぢもく除目のつとめて。しる人のなるべきあるおりはさらなり。さらぬおりもまづきかまほしうて。たづねらるかし。ゑりぐさをきてそゝぐも。

そめはぎ。かいねりうたせたるをもてきたる。おもふ人のふみ。

心もとなき物。我はかくれゐて。しられじと思ふ人のきたるに。まへなる人にをしへてものいはせて。きゝゐたる心ち。とみの物。人のもとにぬいにやりてまつほどの心ち。

ものみにいそぎ出たるに。いまやとひさしくゐいりて。そなたをまもらへたる心ち。又まだしからむとたゆみてをそくいでたるに。ことなりにけりととくたちにけるくるまどものはざまよりあかぎぬきたるもの。しろきしもと