Page:Gunshoruiju27.djvu/332

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さゝげたるをみつけて。いそぎてやりよするほどわびしう。をりてもいぬべき心地す。子うむべき人のほどすぐるまでさる氣色なき。とをきほどより思ふ人のふみをくらきほどにもてきたる。火ともすほどまつこそわりなく心もとなけれ。かたくふじたるそくいなどあくるほども。いと心もとなし。いつしかなど思ふちごの。いか五十日もゝか百日などになりたるほどのゆくすゑいと心もとなし。とみの物ぬふに。なまくらふてはりにいとつくる。されどわれはさる物にて。ぬふべき所をとらへて人につけさするに。それもいそげばにやあらん。とみにもみつけぬを。いでさはとゝへど。さすがになどてかと思ふほどに。みさせぬはにくささへそひたり。なに事にてまれいそぎてものへゆくべきに。まづさるべき所へ。いつとてたゞいまをこせんとて。人のいぬるくるまをまつほどこそいとこゝろもとなけれ。おほぢいきけるを。それななりとよろこびたれば。ほかざまへいぬる。いとくちおし。まして物見にいでむとするに。ことはなりぬらんなどいふこそいとわびしけれ。子うみたるにのちの物のひさしき。又物みてらまうでなどに。もろともにあるべき人のせんにゆきてくるまをさしよせたるに。とみにものらで。しばしなどいひてまたするも。いと心もとなぐ。うちすてゝもいぬべき心ちす。又とみにていりずみおこすも心もとなし。人の歌のかへしすべきが。とみによみいでられぬほど。いと心もとなし。けさう人などは。いとさしもいそぐまじけれど。をのづから又さるべきおりもあり。まして女どちもうちいひかはす事は。ときこそよけれ。心ちあしうてもののおそろしきおりなどに夜のあくるまつ。い