コンテンツにスキップ

Page:Gunshoruiju27.djvu/311

提供:Wikisource
このページは校正済みです

どよりはと思ふに。なを心ゆかぬ心地する也。おかしなどのかたにはあらねど。にはとりの子のちいさき程こそあはれなれ。

むしは。まつむし。すゞむし。きりす。はたをり。てふ。われから。ひぐらし。ほたる。ひをむし。みのむし。いとあはれなり。おにのうみければ。おやににて。是もやおそろしき心あらむとて。おゝや男親のあやしき衣をひききせて。いま秋かせふかんおりにぞ。こむとするまでよといひをきて。いにけるをさもしらず。まことかとて。風のをとをきゝしりて。は月ばかりになれば。ちゝよとはかなげになく。いとあはれなり。ぬかづきむし。またあはれなり。さる心地に道心ををこして。つきありくらんよ。思ひもかけずくらきところなどに。ほととしありきたるこそおかしけれ。夏むし。いとらうたげなり。火ちかうとりよせて物がたりなどみるに。さうしの上にとびありくさま。いとはかなびておかし。ありは。にくけれど。身のかろくて水の上などにたゞありくこそおかしけれ。

山は。をぐらやま。みかさ山。このくれ山。いりたち山。わすれ山。かたさり山こそ。たれに所おきけるにかとおかしけれ。いづはた山。かへる山。のちせやま。まゆみ山。かさとり山。ひらの山。とこの山は。わがなもらすなど御かどのよませ給たるがおかしきなり。いぶきの山。あさくら山は。よそに見るらんいとおかし。おほひれ山。をひれやまも。りんじのまつり思ひいでられておかし。みわの山。まちかね山。たまさか山。みゝなし山。あらしの山。葛城山。くらゐ山。さらしな山。をしほやま。きびのなか山。

みねは。ゆづるはのみね。あ