Page:Gunshoruiju27.djvu/161

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もしげに申なして。御祈申候はん事は。田地の費と成。庫倉の物のみうせて。御爲も一切其益有まじく候。却て御怨にて候也。文覺も罪業を受べく候。さる御損をば。いかゞとらせまいらせ候べき。猶々伊勢八幡等の太神善神は。財寶珍物をまいらするには。ふけらせ給候はぬが如く御存知候へ。たゞ心うるはしく。身をさまりたる人をまぼらせ給候也。其故は八幡の御託宣にいはく。わける銅のホムラをば吞とも。心直ならざらん者の手向をば不受給云々。同託宣に云。日夜に天下國家万民を守護するに不遑。若は國土も豐ならず。又世上も亂逆ならば。諸天三寶の御にくみにやあづからん。穴賢〻〻と候めり。日本國は神國也。他の國よりも我國。他の民よりも我人と御誓あり。されば日本六十餘州は。いかなる野のすゑ。山のおくまでも神の御知行也。然を世間の物忩御身の煩敷時。私に在所を御計有て。所領を御敎書にて神社佛寺へ御寄進の事は。更に神慮に不叶候。只御祈には正直慈悲を先として。內典外典其名のうるはしき者に仰て。施物を限らず御祈誓候はゞ。君も御心安く。民百姓も樂候。佛神の擁護も疑有まじく候。主なき所領は有間敷候。夫を神社佛寺に寄進事は返々神道に可御背候。是を能々御心得可有候。皇居を守。人民を育ませ給事にて候へば。偏に諸の寺社等を御心中に不忘。破壞顚倒せんをば。限有事に付て修理可有候。仍此國の民の愁は。うたてしき事にて可有候。大海はくぼきに依て水たまり候樣に。心うるはしき人の身に福德は集候。さてもさても八幡の。心うるはしきものをまぼらんと仰候は。心うるはしきと申候は。帝王攝政將軍の。搆て身の樂を思はず。只いかにもして人