コンテンツにスキップ

Page:Gunshoruiju18.djvu/90

提供:Wikisource
このページは校正済みです

はかせさかしたち。さひらきゐたり。たうやく膏藥くはれる。れいのことゝもなり。二日。宮の大饗はとまりて。臨時客。ひんかしおもてとりはらひて。れいのことしたり。上達部は。傅大納言道綱右大將實資中宮大夫齋信四條大納言公任權中納言行成侍從の中納言賴通。左衞門督。ありくに有國の宰相。大藏卿正光左兵衞督實成けん宰相賴定。むかひつゝゐ給へり。源中納言俊賢。左兵衞督。左右經房 兼隆宰相中將は。なけしのしもに。殿上人の座のかみにつき給へり。わか宮いたきいて奉り給て。れいのことゝもいはせ奉り。うつくしみにイきこえさせ給ふ。うへに。いと後朱雀宮いたき奉らんと。殿のたまふを。いとねたきことにし給て。あゝとさいなむを。うつくしかりきこえ給て申たまへは。右大將なと。けうし聞え給ふ。うへにまいり給て。うへ殿上に出させ給て。御あそひありけり。とのれいのはせ給へり。わつらはしとおもひて。かくろへゐたるに。なと。御てゝの。御まへの御あそひにめしつるに。さふらはて。いそきまかてにける。ひかみたりなと。むつからせ給へる。さるは。歌一つつかうまつれ。おやのかはりに。はつねの日なり。よめとせめさせ給ふ。うちいてんに。いとかたわならん。こよなからぬ御ゑいなめれは。いとゝ御いろあひきよけに。ほかけはなやかにあらまほしくて。年比。彰子のすさましけにて。ひとゝころおはしますを。さうしく見奉りしに。かくむつかしきまて。ひたりみきに見たてまつるこそうれしけれと。おほとのこもりたる宮たちを。ひきあけつゝ。み奉りたまふ。野へに小松のなかりせはと。うちすしたまふ。あたらしからんことよりも。おりふしの人の有さま。めてたくおほえさせ給ふ。又の日夕つかた。いつしかとかすみたる空を。つくりつゝけたる軒のひまなさに