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かきたることをたに。よまぬかほをし侍しを。宮のおまへにて。文集の所々よませ給なとして。さるさまのこと。しろしめさせまほしけにおほいたりしかは。いとしのひて。人のさふらはぬものゝひまに。をとゝしの夏ころより。樂府といふゝみ二くわんをそ。しとけなく。かうをしへたて聞えさせてはへるも。かくし侍り。宮もしのひさせ給しかと。殿もうちも。けしきをしらせ給て。御ふみともをめてたうかゝせ給てそ。殿は奉らせ給ふ。まことにかうよませ給なとすること。はた。かのものいひの內侍はえきかさるへし。しりたらはいかにそしり侍らむものと。すへて世中ことわさしけく。うきものに侍りけり。いかにいまは。こといみし侍らし。人。といふともかくいふとも。たゝあみた佛にたゆみなくきやうをならひ侍らむ。世のいとはしきことは。すへて露はかりこゝろもとまらすなりにて侍れは。ひしりにならんに。けたいすへうも侍らす。たゝひたみちにそむきても。雲にのほらぬほとの。たゆたふへきやうな侍へかなる。それにやすらひ侍なり。年もはたよきほとになりもてまかる。いたうこれよりおいほれて。はためつらにそきやうよます。心もいとゝたゆさまさり侍らん物を。心ふかき人まねのやうにはへれと。今はたゝ。かゝるかたのことをそおもひ給ふる。それつみふかき人はまたかならすしもかなひ侍らし。さきの世しらるゝことのみおほく侍れは。よろつにつけてそかなしく侍る。御ふみにえかきつゝけ侍らぬことを。よきもあしきも。世にあること。身のうへのうれへにても。のこらす聞えさせをかまほしう侍そかし。けしからぬ人を思ひきこえさすとても。かゝるへいイことやは侍。されと。つれにおはしますらん。またつれ