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Page:Gunshoruiju18.djvu/86

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らん人は。我をにくむとも。われは猶人を思ひうしろむへけれと。いとさしもえあらす。しひふかうおはする佛たに。三ほうをそしる罪は。淺しとやはとき給ふなる。まいてかはかりににこりふかき世の人は。猶つらき人はつらかりぬへし。それを我イまさりていはんと。いみしきことのはをいひつけ。むかひゐてけしきあしうまもりかはすとも。さはあらすもてかくし。うはへはなたらかなるとのけちめそ。心のほとはみえ侍るかし。さゑものないしといふ人はへり。あやしうすゝろに。よからす思ひけるも。えしり侍らぬ。心うきしりうイナシことのおほうきこえ侍し。うちのうへの。源氏の物語人によませ給ひつゝ。聞しめしけるに。この人は日本紀をこそよみ給へけれ。まことにさえ有へしとのたまはせけるを。ふとをしはかりに。いみしくなむさえあると。殿上人なとにいひちらして。日本紀の御つほねとそつけたりける。いとおかしくそ侍る。このふるさとの女のまへにてたに。つゝみ侍るものを。さる所にてさえさかしいて侍らむよ。この式部丞惟規といふ人のわらはにて。ふみよみ侍しとき聞ならひつゝ。かの人はをそうよみ。とりわするゝ所をも。あやしきまてそさとく侍しかは。ふみに心いれたるおや爲時は。くちおしう。おのこゝにてもたらぬこそさいはひなかりけれとそ。つねになけかれ侍し。それを男たにさえかりぬる人は。いかにそや。はなやかならすのみ侍めるよと。やう人のいふも聞とめてのち。いちといふもじをたにかきわたし侍す。いとてつゝにあさましく侍り。よみしふみなといひけん物。めにもとゝめすなりて侍しに。いよかゝること聞侍りしかは。いかに人もつたへきゝてにくむらんと。はつかしきに。御屛風のかみに