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Page:Gunshoruiju18.djvu/81

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とやうの所にて月をも見。花をもめつる。ひたふるのえんなること也。をのつからもとめ思ひてもいふらむ。朝夕たちましり。ゆかしけなきわたりに。たゝことをもきゝよせ。うちいひ。もしはおかしきことをもいひかけられて。いらへはちなからずすへき人なむ。よにかたくなりにたるそ。人々はいひ侍るめる。みつからえ見侍らぬことなれは。えしらすかし。かならす人のたちより。はかなきいらへをせんからに。にくいことをひきいてんそあやしき。いとよう。さてもありぬへきことなり。これを人の心有かたしとはいふに侍めり。なとかかならすしも。おもにくゝひき入たらんかかしこからむ。又なとて。ひたゝけてさまよひさしいつへきそ。よきほとに。おりの有さまにしたかひてもちひんことの。いとかたきなるへし。まつは宮の大夫まいり給て。けいせさせ給へきことありけるおりに。いとあへかにこめい給ふ。上らうたちはたいめんし給ふことかたし。又あひても。なにことをかはかしくの給ふへくも見えず。ことはのたるましきにもあらす。心のをよふましきにも侍らねと。つゝましはつかしとおもふに。ひかこともせらるゝを。あいなくイ。すへてきかれしと。ほのかなるけはひをも見えし。ほかの人は。さそ侍らさなる。かかるましらひなりぬれは。こよなきあて人も。みなよにしたかふなるを。たゝひめきみなからのもてなしにそ。みなものし給ふ。下らうのいてあふを。大納言こゝろよからすとおもひ給たなれは。さるへき人々さとにまかて。つほねなるも。わりなきいとまにさはるおりは。たいめんする人なくて。まかて給時も侍なり。其ほかのかんたちめ。宮の御かたにまいりなれ。物をもけいせさせ給は。をのの心よ