Page:Gunshoruiju18.djvu/82

提供:Wikisource
このページは校正済みです

せの人。をのつからとりとりにほのしりつゝ。その人ないおりは。すさましけにおもひて立いつる人々の。ことにふれつゝ。この宮わたりのこと。うもれたりなといふへかめるもことはりに侍る。齋院わたりの人も。これをおとしめ思ふなるへし。さりとてわか方のみところあり。ほかの人はめも見しらし。物をもきゝとゝめしとおもひあなつらんそ。又わりなき。すへて人をもとくかたはやすく。我こゝろをもちひんことはかたくいわさ[かたかへいわさイ]を。さはおもはて。まつわれさかしに。人をなきになし。よをそしるほとに。心のきはのみこそ。見えあらはるめれ。いと御らんせさせまほしう侍し文かきかな。人のかくしをきたりけるを。ぬすみてみそかに見せて。とりかへし侍にしかは。ねたうこそ。いつみしきふといふ人こそ。おもしろうかきかはしける。されといつみはけしいらぬかたこそあれ。うちとけてふみはしりかきたるに。そのかたのさえある人。はかないこと葉のにほひも見え侍めり。うたはいとおかしきこと。ものおほえ。[うイ]たのことはり。まことの歌よみさまにこそ侍らさめれ。くちにまかせたることともに。かならすおかしき一ふしの。めにとまるよみそへ侍り。それたに人のよみたらん歌。なむしことはりゐたらんは。いてや。さまて心はえし。口にいとうたのよまるゝなめりとそ見えたるすちに侍かし。はつかしけのうたよみやとは覺え侍らす。たんはのかみの北のかたをは。宮殿なとのわたりには。まさひら衞門とそいひ侍る。ことにやんことなきほとならねと。まことにゆへしく。歌よみとて。よろつのことにつけてよみちらさねと。聞えたるかきりは。はかなき折ふしのことも。それこそはつかしきくちつきに侍れ。やゝもせは。こしはなれぬは