Page:Gunshoruiju18.djvu/74

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つくろひともすとて。うちとけゐたるに。辨の內侍きて。物かたりして臥給へり。たくみのくら人は。なけしのしもにゐて。あてきか。ぬふものゝかさね。ひねりをしへなと。つくとしゐたるに。おまへのかたにいみしくのゝしる。內侍をこせと。とみにもおきす。人のなきさはくをとのきこゆるに。いとゆゝしく。物も覺えす。ひかとおもへとさにはあらす。たくみのきみ。いさとさきにをしたてゝ。ともかうも宮しもにおはします。先まいりて見奉らんと。內侍をあらゝかにつきおとろかして。三人ふるふ。あしもそらにてまいりたれは。はたかなる人そふたりゐたる。ゆけひ。こ兵部なりけり。かくなりけりとみるに。いよむくつけし。みつし所の人も。みないて。宮のさふらひも。たきくちも。なやらひはてけるまゝに。みなまかてゝけり。てをたゝきのゝしれと。いらへする人もなし,おものやとりのとし刀自をよひいてたるに。殿上に兵部丞とくら人よへと。はちも忘ひてくちつからいひたれは。たつねけれとまかてにけり。つらきことかきりなし。式部丞すけなり資業そ參りて。ところのさしあふらとも。たゝひとりさしいれられてありく。人々ものおほえすむかひゐたるもあり。うへより御つかひなとあり。いみしうおそろしうこそ侍しか。おさめとのにある御そとりいてさせて。この人々にたまふ。ついたちのさうそくはとらさりけれは。さりけもなくてあれと。はたかすかたはわすられすおそろしきものから。おかしうともいはす。こといみもしあへす。正月寬弘六一日。かん日なりけれは。わか宮の御いたゝきもちゐのことゝまりぬ。三日そまうのほらせ給ふ。ことしの御まかなひは大納言の君。さうそくついたちの日は。くれな