Page:Gunshoruiju18.djvu/71

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心々なり。かさみは五へなる中に。おはりはたゝえひそめをきせたり。中々ゆへしく心あるさまして。物の色あひ。つやなと。いとすくれたる。あふきとるとて。六位のくら人ともよるに心をイなけやるこそ。やさしきものから。女にはあらぬかとみゆれ。われらをかれかやうにて出居よとあらは。又さてもさまよひありくはかりにそかし。かうまてたちいてんとはおもひかけきやは。されと。めにみすあさましきものは。人の心なり。けイれは今より後のおもなさは。たゝたれになれすき。ひたおもてにならむもやすしかしと。身のありさまの。夢のやうにおもひつゝけられて有ましきことにさへ思ひかゝりて。ゆゝしくおほゆれは。めとまることも。れいのなかりけり。侍從宰相の五せち[のイ]つほね。宮のおまへのたゝ見わたすはかりなり。たてしとみのかみより。をとにきくすたれのはしもみゆ。人の物いふこゑもほのきこゆ。かの女御の御かたに。左京むまといふ人なむ。いとなれてましりたると。宰相中將むかしみしりてかたり給を一夜かのかひつくろひにてゐたりし。ひんかしなりしなん。左京と源少將も見しりたりしを。ものゝよすかありて。つたへ聞たる人々おかしうもありけるかなといひつゝ。いさしらすかほにはあらし。むかし心にくたちてみならしけんうちわたりを。かゝるさまにてやは出たつへき。忍ふとおもふらんを。あらはさんのこゝろにて。おまへにあふきともあまたさふらふ中に蓬萊つくりたるをしもえりたる心はへ有へし。みしりけんやは。はこのふたにひろけてひかけをまろめて。そらいたるくしとも。しろきものいみしく。つまをゆひそへたり。すこしさたすきたまひにたるわたりにて。くしのそりさまなんなをな