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Page:Gunshoruiju18.djvu/70

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つにゐて。いとせはけれは。はかしう物もみえ侍らすなといふほとに。殿おはしまして。なとて。かうてすくしてはゐたる。いさもろともにと。せめたてさせ給て。心にもあらすまうのほりたり。舞姬とものいかに苦しからんと見ゆるに。おはりのかみのそ。心ちあしかりてゐぬる。夢のやうに見ゆる物かな。ことはてゝおりさせ給ぬ。この比のきんたちは。たゝ五節所のおかしきことをかたる。すたれのはしもかう帽額さへ。心々にかはりてゐてゐたる。かしらつきもてなしけはひなとさへ。さらにかよはす。さまになんあると。きゝにくゝかたる。かゝらぬ年たに。御らむの日のわらはのこゝちともは。をろかならさる物を。ましていかならむなと。心もとなくゆかしきに。あゆみならひつゝいてきたるは。あむイなくむねつふれて。いとをしくこそあれ。さるは。とりわきてふかう心よすへきあたりもなしかし。我もと。さはかり人のおもひて。さしいてたることなれはにや。めうつりつゝ。をとりまさりけさやかにもみえわかす。いまめかしき人のめにこそ。なイとものけちめも見とるへかめれ。たゝかくくイもりなきひる中に。扇もはかしくもたせす。そこらの公達の立ましりたるに。さてもありぬへき身のほと。心もちひといひなから。人にをとらしとあらそふ心ちも。いかにおくすらんと。あいなくかたはらいたきそ。かたくなしきや。たは丹波のかみのわらはの。あをいしらつるはみのかさみ。おかしと思ひたるに。藤宰相のわらはゝ。赤色をきせて。しもつかへのからきぬに。靑色ををしかへしきたる。ねたけなり。わらはのかたちも。ひとりはいとまほにはみえす。宰相の中將はわらはいとそひやかに。かみともおかし。みなこきあこめに。うはきは