Page:Gunshoruiju18.djvu/69

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もはしたなけなるに。あゆみいるさまとも。あさましう。つれなのわさやとのみ思へと。人のうへとのみおほえす。たゝかう。殿上人のひたおもてにさしむかひ。しそくさゝぬはかりそかし。へいまん屛慢ひきをい[おほひイ]やるとすれと。おほかたのけしきは。おなしことそ見るらんとおもひいつるも。先むねふたかる。なりとをの朝臣のかしつき。錦のからきぬ。やみのよにもものにまきれす。めつらしうみゆ。きぬかちにみしろきも[せてイ]たをやかならすそ見ゆる。殿上人心ことにかしつく。こなたにうへもわたらせ給て御らむす。殿も忍ひて。やりとより外イにおはしませは。心にまかせたらすうるさし。なかきよのは。たけともひとしくとゝのひ。いとみやひかに心にくきけはひ。人にをとらすとさためらる。右宰相中將の。有へきかきりはみなしたり。ひすまし樋洗のふとりとゝのひたるさまそさとひたりと。人ほゝゑむなりし。はてに藤宰相のおもひなしに。いまめかしく心ことなり。かしつき十人あり。又ひさしのみすおろして。こほれいてたる衣のつまとも。したりかほにおもへるさまともよりは。見ところまさりて。ほかけにみえわたさる。とらの日のあした。殿上人まいる。常のことくなれと。月比にさとひにけるにや。わか人たちの。めつらしとおもへるけしきなり。さるはすれる衣もみえすかし。その夜さり。春宮のすけ隆任めして薰物賜ふ。大きやかなるはこ一つに。たかう入させたまへり。おはりへは。とのゝうへそつかはしける。そのよはお前の心みとか。うへにわたらせ給て御覽す。わか後一條おはしませは。うちまきしのゝしる。常にことなるこゝちす。物うけれはしはしやすらひ。ありさまにしたかひて。まいらむとおもひてゐたるに。こひやうゑ。こ兵部なともすひ