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Page:Gunshoruiju18.djvu/67

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いそきまかてゝ。とくまいらんとありしもそらことにて。程ふるなめりと。のたまはせたれは。たはふれにても。さきこえさせ給はせしことなれは。かたしけなくてまいりぬ。いらせ給ふは十七日なり。いぬのときなと聞つれと。やうやう夜ふけぬ。みなかみあけつゝゐたる人卅よ人。そのほかにもみえわかす。もやのひんかしおもてひかしのひさしに。うちの女房も十よ人。みなみのひさしのつまとへたてゝゐたり。御こしには宮のせんしのる。いとけの御車に。とのゝうへ少輔のめのと。わか宮いたき奉りてのる。大納言宰相の君こかねつくりに。つきのくるまに。こ少將。宮の內侍。つきにむまの中將とのりたるを。わろき人とのたりとおもひたりしこそ。あなことしと。いとゝかゝる有さまむつかしう思ひ侍しか。とのもりの侍從の君。辨の內侍。つきに左衞門の內侍。とのゝせんし。しきふとまてはしたいしりて。次々はれいの心々にのりけるイ。月のくまなきに。いみしのわさやと思ひつゝ。あしをそらなり。むまの中將の君をさきにたてたれは。ゆくゑもしらすたとしきさまこそ。我うしろをみる人はつかしくもおもひしらるれ。ほそとのゝ三のくちに入てふしたれは。こ少將のきみもおはして。なをかゝる有さまのうきことをかたらひつゝ。すくみたる衣ともをしやり。あつこえたるきかさねて。ひとりに火をかき入て。身もひえにける。ものゝはしたなさをいふに。侍從の宰相。左の宰相中將。きんのふの中將なと。つきによりきつゝとふらふもいと中々なり。こよひは。なきものとおもはれて。やみなはやと思ふを。人にとひ聞給へるなるへし。いとあしたにまいり侍らん。こよひはたへかたく。身もすくみて侍なと。