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とのもてきて。これとのゝうへ倫子の。とりわきていとようおいのこひすて給へとの給はせつる。とあれは。

 新勅菊の露わかゆ[わくるイ]はかりに袖ぬれて花のあるしにちよは讓らん

とてかへし奉らんとするほとに。あなたにかへりわたらせ給ひぬとあれは。ようなさにとゝめつ。そのよさり。御まへにまいりたれは。月おかしきほとにて。はしにみすのしたより。裳のすそなと。ほころひ出るほとに。こ少將の君。大納言のきみなとさふらひ給ふ。御ひとりに。ひとひのたきものとうてゝ。こゝろみさせ給ふ。御まへの有さまのおかしさ。つたのいろの心もとなきなと。くちきこえさするに。れいよりもなやましき御けしきにおはしませは。御かちともゝまいるかたなり。さはかしきこゝちしていりぬ。人のよへは。つほねにおりて。しはしとおもひしかとねにけり。夜中はかりより。さはきたちてのゝしる。十日のまたほのとするに。御しつらひかはる。白き御丁にうつらせ給。殿よりはしめ奉りて。きんたち。四位。五位ともおほく[たちイ]さはきて。御丁のかたひらかけ。御ましともゝてちかふほと。いとさはかし。ひひとひ。いとこゝろもとなけに。おきふしくらさせ給ひつ。御ものゝけともかりうつし。かきりなくさはきのゝしる。月ころそこらさふらひつるとのゝうちのそうをは。さらにもいはす。山々寺々を尋て。けんさ驗者といふかきりは。のこ[りイ]なくまいりつとひ。三よの佛も。いかにかきゝ給ふらんとおもひやらる。おんやうしとて。世にあるかきりめしあつめて。やをよろつの神も。みゝふりたてぬはあらしとみえきこゆ。みすきやうのつかひたちさはきくらし。その夜もあけぬ。御丁のひんかしおもては。うちの女房まいりつとひ