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Page:Gunshoruiju18.djvu/409

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にのりぬ。のゝしりみちてくだりぬる後。こよなうつれなれど。いといたうとをきほどならずときけば。さきのやうに心ぼそくなどは。おぼえであるに。おくりのひと又の日かへりて。いみじうきらしうてくだりぬなどいひて。此曉にいみじくおほきなる人だまのたちて。京ざまへなむきぬるとかたれど。ともの人などのにこそはと思ひ。ゆゝしきさまにおもひだによらむやは。いまはいかで此わかき人々おとなびさせんと思ふよりほかの事なきに。歸る年の四月にのぼりきて。夏秋も過ぬ。九月廿五日よりわづらひいでて。十月五日に夢康平元年十月五日卒五十七のやうにみないておもふ心ち世中に又たぐひある事ともおぼえず。はつせにかがみ奉りしに。ふしまろびなきたるかげの見えけんは。是にこそは有けれ。うれしげなりけんかげはきしかたもなかりき。今行末はあべいやうもなし。廿三日はかなくも煙になす夜。去年の秋いみじくしたてかしづかれて。うちそひてくだりしをみやりしを。いと黑ききぬのうへにゆゝしげなる物をきて。車のともになくあゆみ出て行をみいだして思ひいづるこゝち。すべてたとへむかたなきまゝに。やがて夢路にまどひてぞ思ふに。その人やみにけんかし。むかしよりよしなきもの語。うたの事をのみ心にしめて。よるひる思ひて。おこなひをせましかば。いとかゝる夢の世をばみずもやあらまし。はつせにてまへのたびは。いなりよりたまふしるしの杉よとてなげ出られしをいでしまゝに。いなりにまうでたらましかば。かゝらずやあらまし。年ごろ天照御神をねんじ奉つれとみゆる夢は。人の御めのとして內わたりにあり。みかどきさきの御影にかゝるべきさまをのみゆめときもあはせしかど