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うへに五六日をすぐす。からうじて風いさゝかやみたるほど。舟のすだれまきあげて見渡せば。夕しほたゞみちにみちくるさま。とりもあへず。入江の田鶴の聲おしまぬもおかしくみゆ。くにの人々あつまりきて。その夜この浦をいでさせたまひて。いし津につかせ給へらましかば。やがて此御舟なごりなくなりなましなどいふ。心ぼそうきこゆ。
あるゝ海に風より先に船出していし津の波と消なましかは
世中にとにかくに心のみつくすに。宮づかへとても。ことはひとすぢにつかうまつり
うへに五六日をすぐす。からうじて風いさゝかやみたるほど。舟のすだれまきあげて見渡せば。夕しほたゞみちにみちくるさま。とりもあへず。入江の田鶴の聲おしまぬもおかしくみゆ。くにの人々あつまりきて。その夜この浦をいでさせたまひて。いし津につかせ給へらましかば。やがて此御舟なごりなくなりなましなどいふ。心ぼそうきこゆ。
あるゝ海に風より先に船出していし津の波と消なましかは
世中にとにかくに心のみつくすに。宮づかへとても。ことはひとすぢにつかうまつり