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Page:Gunshoruiju18.djvu/377

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て。海までくきぬきしたり。けぶりあふにやあらむ。淸見が關の波もたかくなりぬべし。おもしろき事かぎりなし。田籠の浦は。波たかくて船にて漕めぐる。大井川といふわたりあり。水の世のつねならず。すりこなどをこくてながしたらんやうに白き水はやくながれたり。ふじ川といふは富士の山より落たる水也。その國の人の出てかたるやう。ひとゝせごろ。物にまかりたりしに。いとあつかりしかば。此水のつらにやすみつゝ見れば。川上のかたよりき成ものながれきて。物につきてとゞまりたるをみれば。ほぐなり。とりあげて見れば。きなる紙に。にしてこくうるはしくかゝれたり。あやしくてみれば。らいねんなるべき國どもを。ぢごくのごとみなかきて。此國らいねんあくべきに扶もかみなして。又そへて二人をなしたり。あやしあさましとおもひて。とり上てほして。おさめたりしを。かへるとしのつかさめしに。この文にかゝれたりしひとつたがはす。此國のかみとありしまゝなるを。三月のうちになくなりて。またなりかはりたるも。このかたはらにかきつけられたりし人也。かゝることなむ有し。らいねんの司めしなどは。ことし此山にそこばくのかみあつまりい玉ふなりけりと見給へし。めづらかなる事にさぶらふとかた[ろイ]。ぬまし[りイ]と云所もすがとすぎて。いみじくわづらひ出て。遠江にかゝる。さやの中山など越けんほどもおぼえず。いみじくくるしければ。天りうといふ川のつらにかり屋つくりまうけたりければ。そこにて日ごろすぐるほどにぞ。やうをこたる。冬深くなりたれば。河風はげしく吹上て。たへがたくおぼえけり。そのわたりしつゝ[てイ]。はまなの橋についたり。はまなのはしくだりし時は。く