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へし奉るべきにもあらず。たけしばのをのこに。いけらん世のかぎり。武藏の國をあづけとらせて。おほやけごともなさせじ。たゞ宮にその國をあづけ奉らせ給ふよしの宣旨下りにければ。此家を內裡のごとくつくりてすませ奉りける家を。宮などうせ玉ひにければ。寺になしたるをたけしば寺といふなり。その宮のうみ給へるこどもは。やがてむさしといふ姓をえてなん有ける。それより後。火たきやに女はゐるなりとかたる。野山あしをぎのなかをわくるよりほかの事なくて。武藏と相摸との中に
へし奉るべきにもあらず。たけしばのをのこに。いけらん世のかぎり。武藏の國をあづけとらせて。おほやけごともなさせじ。たゞ宮にその國をあづけ奉らせ給ふよしの宣旨下りにければ。此家を內裡のごとくつくりてすませ奉りける家を。宮などうせ玉ひにければ。寺になしたるをたけしば寺といふなり。その宮のうみ給へるこどもは。やがてむさしといふ姓をえてなん有ける。それより後。火たきやに女はゐるなりとかたる。野山あしをぎのなかをわくるよりほかの事なくて。武藏と相摸との中に