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Page:Gunshoruiju18.djvu/28

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なき程に。かくてすくすは明ぬよの心ちのみすれは。はかなきたはふれもいふ人あまた有しかは。あやしきさまにのみそいふかめる。さりとてことさまのたのもしきかたもなし。なにかはさても心見ん。よし北方濟時卿女はおはすれと。たゝこと御かたにて。御めのとこそは萬の事すなれ。またけさうに色めかはこそあらめ。さるへきかくれなとにあらんには。なてう事かはあらんなと思て。此ぬれきぬは。さりともきやみなんをと思て。なに事も只我より外のとのみそ思給へつゝ。すくし侍る程のまきらはしには。かやうなるおり。たまさかにも。まちつけ聞えさするより外のこともなけれは。たゝいかにも侍れ。の給はせんまゝにと思給へれは。よそにても見苦しきものに聞えさすらむ。ましてまことなりと見侍らむそ。かたはらいたう侍らんと聞ゆれとそれは。こゝにこそ。とてもかくてもいはれめ。見くるしうはたれか みん。いとようかくれたる所つくりいてゝ。いまきこえんなとたのもしうの給はせて。夜ふかう出給ぬ。かうしもあけなからあり。よのつねはたゝひとりふしにていかゝせまし。さても人わらはれなる事やあらんと。さきにおもひみたれて。ふしたる程に。御ふみあり。

 露むすふ道のまに朝ほらけぬれてそきつる手枕のそて

このそての事をはかなき事なれと。おほしわすれてのたまはせたる。おかしうおほゆ。

 道芝の露とおきぬる人よりも我手枕のそてはかはかす

其夜の月も。いみしうあかうすみて見ゆるを。爰よりもかしこにてもなかめ明して。またつとめて御ふみたまはせむとて。れいのわらは參りたりやととはせ給ふほとに。女もしものいと白きにおとろかされてにや。

 手枕の袖にも霜は置けるをけさうちみれは白妙にして