Page:Gunshoruiju18.djvu/27

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けると。たはふれことにいひなして。哀なりつるよのけしきもかくのみいふ程に。ことにたのもしき人なともなきなめりかしと心くるしうおほえて。今のまいかゝとの給はせたる返事。

 今朝のまは今はひぬらんゆめ計ぬると見えつる手枕の袖

と聞えたり。わすれしといひつるに。事をもいひたれは。おかしうおほして。

 夢計なみたにぬると見つらめとほしそかねつる手枕のそて

よへの空のけしきのあはれにみえしは。所からにや。それより後心苦しうおほされて。しはしはおはしまして。有さまなと御覽しもていくに。よになれたる人にもあらす。只いと物はかなけにみゆるも。いと心苦しうおほされて。あはれに語らはせ給ふに。いとかくつれになかめさせ給ふらんを思をこたる事なけれと。只おはせかし。世中の人もいとひなけにいふ也。時々參りくれはにや。見ぬる事もなけれと。それも人のいときゝにくゝいふに。又たひたひ歸る程の心ちのわりなかりしも。人けなう覺えなとせしかは。いかにせましなと思ひなるおりもあれと。ふるめかしき心なれはにや。聞えたらん事のいと哀に覺えてなむ。さりとてかくのみえ參りくましきを。誠にきく事有て。せいする事なとあらは。そらゆく月にもあらん。もしの給やうなるつれならは。かしこにもおはしなんや。人はあれとひなかるへきにもあらす。もとよりかゝる筋につきたよりなき身なれはにや。人けなき所につゐゐなともせす。行ひなとする事たに。只獨りあれは。同し心に物語りなとも聞えてあらは。慰む事もや有と思ふ也との給へ思ふにも。けに今更にさやうにひなき有さまは。いかゝはせむと思ひて。一の宮の事も聞えきかてあるを。さりとて山のあなたにしるへする人も