Page:Gunshoruiju18.djvu/18

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あるおりにやと思へは。つゝましうてなむなと。物語あはれにし給ひ。明ぬれはくるまよせ給てのせ給て。御をくりにもまいるへけれと。あかう成ぬへけれは。ほかに有けると人のみむもあひなしとて。とまらせ給ぬ。女かへる道すから。あやしのありきや。いかに人思ふらんとおもへと。明ほのゝ御すかたの。なへてにはあらさりつる御さまもおもひいてられて。

 よひことに返しはすれといかて猶曉おきは君になさせし

くるしかりけれとあれは。

 朝露におくる思ひにくらふれはたゝに歸らん宵はまされり

さらにかゝる事きかし。夜さりは方ふたかりなり。御迎へに參らむとあれは。あなくるし。常にはなと思へと。れいの車にておはしたり。さしよせて。はやはやとあれは。さも見くるしき事かなとおもふ。ゐさり出てのりぬれは。よへのところにて物かたりなとし給うへは。院の御方にわたらせ給ふとおほす。あけぬれは鳥のねつらきとの給はせて。やをらうちのせておはしましぬれは。道すから。かやうならんおりはかならすとの給はすれは。常にはいかてかときこゆ。おはしまして歸らせ給ぬ。しはしありて御ふみあり。けさはうかりつる鳥の音におとろかされてつらかりつれはころしつ。み給へとて鳥のはねにかきて。

 ころしても猶あかぬ哉ねぬ鳥の折ふししらぬ今朝の初聲

御返し。

 いかゝとは我こそ思へ朝ななきゝかせつる鳥を殺せは

とおもひたまふるを。とりのとかならぬにやとあり。二三日ほとありて月いみしうあかき夜。はしに出ゐて見るほとに。いかにそや。月は見たまふやとて。

 我ことくおもひはいつや山のはの月にかけつゝなけく心を

れいのおりよりはおかしきうちにも。宮にて