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へ泰れり。かくよびすへて。此たび必あはんと女の心にも思ひをり。翁はかぐや姬のやもめなるをなげかしければ。よき人にあはせむと思ひはかれど。せちにいなといふ事なれば。えしゐぬはことはりなり。かぐや姬翁にいはく。此皮ぎぬは火にやかんに。燒ずばこそまことならめと思ひて。人の云事にもまけめ。世になき物なれば。それをまこととうたがひなく思はんとの給ひて。猶是をやきてこゝろみむといふ。おきなそれさもいはれたりといひて。大臣にかくなん申と云。大臣こたへていはく。此革は唐にもなかり
餘波なくもゆとしりせは皮衣おもひのほかに置て見ましを
とぞ有ける。されば歸りいましにけり。よの人々。あべの大臣火鼠の皮ぎぬもていまして。かぐや姬にすみ給ふとな。こゝにやいますなどとふ。ある人のいはく。皮は火にくべてやきたりしかば。めら〳〵とやけにしかば。かぐや姬逢給ずと云ければ。是を聞てぞ。とげなき物をばあへなしと