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Page:Gunshoruiju17.djvu/238

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のは。命をすてゝもをのが君の仰ごとをば。かなへんとこそおも[ふイ]べけれ。此國になき天竺唐の物にもあらず。此國の海山より龍はおりのぼるもの也。いかに思ひてか。なんぢらかたき物と申べき。をのこども申やう。さらばいかがはせむ。かたきものイ成とも。仰ごとに隨てもとめにまからむと申に。大納言見わらひて。なんぢらが君の使と名をながしつ。君のおほせごとをば如何は背くべきとの給ひて。龍の首の玉取にとて出し立給ふ。此人々の。みちのかてくひ物に。とののうちのきぬ。わた。ぜになど。ある限取出てそへてつかはす。此人どもの歸るまでいもゐをして我はをらん。此玉取えでは家にかへりくなとのたまはせけり。各仰承て罷ぬ。たつのかしらの玉とりえずばかへりくなとのたまへば。いづちも足のむきたらんかたへゆかいなイんとす。かゝるすき事をし給ふ事と誹りあへり。たまは[イ无]せたる物各分つゝとる。或はをのが家に籠り居。或はをのがゆかまほしき所へいぬ。親君と申ともかくつきなき事を仰イ給ふ事と。ことゆかぬ[ものイ]ゆへ。大納言をそしりあひたり。かぐや姬すへんには。れいやうには見にくしとの給ひて。うるはしき屋を作り給ひて。うるしをぬり。蒔繪し給ひて。屋のうへにはいとをそめていろふかせて。內々のしつらひには。いふべくもあらぬ綾織物に繪を書てまごと間每にはりたり。もとのめどもは。かぐや姬を必あはんまふけして。獨明しくらし給ふ。つかひし人は夜晝待給ふに。年越るまで音もせず。心もとなかりイて。いと忍て。ただ舍人二人召付として。やつれ給ひ[てイ]。難波の邊におはしまして問給ふ事は。大伴イの大納言どのの人や。ふねに乘て龍ころして。其首の玉とれるとや聞と。とはするに。舟人こたへていは