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ばかりて。難波にみそかにもて出ぬ。船に乘てかへり來にけりととのにつげやりていといたくくるしがりたるさましてゐたまへり。むかへに人多く參りたり。玉のえだをばながびつに入て物おほひて持てまいる。いつか聞けむ。くらもちの御子は。うどんぐゑの花もちてのぼりたまへりとのゝしりけり。是をかぐや姬聞て我は此御子にまけぬべしと胸つぶれて思ひけり。かゝるほどに門をたゝきて。倉持の御子おはしたりとつぐ。旅の御姿ながらおはしましたりといへば。あひたてまつる。御子のたまはく。命をすてゝかの玉のえだもちて來りとて。かぐや姬に見せ奉り給へといへば。翁持て入たり。此玉のえだにふみぞつけたりける。
徒に身はなしつとも玉のえ
是をも哀とも見てをるに竹とりの翁走入ていはく。此御子に申給ひし蓬萊の玉のえだを。ひとつの所あやしき所なく。あやまたずもておはしませり。何をもちて