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Page:Gunshoruiju17.djvu/228

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敷成ぬ。いきほひまうの物に成にけり。此子いと大きに成ぬれば。なをみむろどいむべのあきたを喚てつけさす。あきたなよ竹のかくや姬とつけつれ。此ほど三日打あげあそぶ。萬のあそびをぞしける。男はうけきらはずよびつどへてかしこくあそぶ。世かいのをのこ。あてなるもいやしきもいかで此かぐや姬をえてしがな。見てしがなと音に聞愛てまどふ。其あたりの垣にも家の戶にもをる人だに。たはやすくみるまじき物を。夜はやすきいもねず。闇の夜にもこゝかしこよりのぞきかいまみまどひあへり。さる時よりなん夜ばひとは云ける。人も物ともせぬ所にまどひありけども。何のしるしあるべくも見えず。家の人どもに物をだにいはんとていひかくれども。ことともせず。あたりをはなれぬきんだち。夜をあかし日をくらす人おほかり。をろかなる人は。ようなきありきはよしなかりけりとてこず成にけり。その中になを云けるは。色好みといはるゝ限五人。思ひやむ時なく夜ひる來けり。其名ども。石作りの御子。くらもちの御子。左大臣安倍のみむらじ。大納言大とも伴イのみゆき。中納言いそのかみのもろたかイ。此人々なりけり。世中におほかる人をだに。すこしも形よしと聞ては。見まほしくする人どもたちイ也ければ。かのかぐや姬をみまほしくて。物もくはず思ひつゝ。かの家に行てたゝずみありきけれどイ无かひあるべくもあらず。文を書てやれども返事もせず。侘歌など書てをこすれども。かひなしと思へど。霜月しはすの降氷。水無月のてりはたゝくにもさはらずきたり。此人々ある時は。竹取を喚てむすめを我にたべとふし拜み手をすりのたまへど。をのがなさぬ子なれば。心にも隨はずなむあると云て月日を過す。かゝれば此人々家