Page:EkiToJinsei.djvu/47

提供:Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動
このページは校正済みです

る勇氣の起るべき筈がない。現在は勿論未來に亘りても一切の現象盡く此中に包含せらるべきである。例へば明日の天氣を占はんとしても其れが六十四卦の何れにても表はされなければならない。何んとなれば占筮して見れば六十四卦の何れが出るとも限らないからである。又盜難のことにしても六十四卦の何れにも之れに關する意味がなくてはならぬ。卽ち前と同じ論法で五十本を取つて筮する時は六十四中の何れが出るか不明であるからである。去れば六十四卦は何れも字宙萬般の現象を示めすものとして意味極めて廣汎なるものである。否寧ろ無限である。此に至りて一驚を喫せざるを得ない。

 然らば何故に此くの如き廣汎なる意味を發見するかといふに要するに聯想に由るのである。例へば結婚を占はんとして豫䷏の卦を得たりとせよ。此場合に於て豫は悅ぶとか和ぐとか樂むとかいふ意味がある。故に結婚も其方面から何んとか聯想されるに相違ない。