Page:EkiToJinsei.djvu/39

提供:Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動
このページは校正済みです

亞より移住せしことなどが確實なる以上此斷定も亦必ずしも誤つて居るとも思はれない。

ロ 陰陽

 漢人種中に自然界を觀察して男性女性となすの習慣があつた。彼等は如何なるものをも此二方面より見た。人間に男女の別あり、禽獸草木に雌雄の別ある如く一切萬物にも亦此種の對照的區別があるものと信じて居た。此れを陰と名け又陽と名けた。日月星辰、晝夜寒暑の如き何れも此種の中に排列せられた。數字に付いても奇偶の別があるが卽ち陰陽の別である。

 彼等は之を示すにとを以てした。如何なる現象も皆兩者何れにか排列せられたのである。例へば君臣、上下、內外、强弱の如き、皆然らざるはなしといふべきである。今日の言葉にて言へば位置でも、性質でも、狀態でも、物象でも盡く兩者の中に配せられた。如何なる現象