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Page:EkiToJinsei.djvu/40

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を見ても陰か陽か何れかでないものはない。

 男女交つて人を生ずる如く陰陽交りて一切萬象を生ずる。有形物以外に於て陰陽二種の氣を假定したる如く思はれる。周易の書中には乾元坤元といふて二種の氣の假定してあることは明白であるが中央亞細亞に居た頃も亦あつたらしい。西洋も男女兩性の原理を假定したことはピユタゴラス學派中に在る。自分は近頃之を綜合心理學中に述べた。餘り東西の暗合が甚しいからである。

ハ 八卦の生成

 陰陽の思想に次いで の符號が出來た。之を以て自然界を觀察する時は不十分な点が多ぃ。卽ち一槪に男性女性といふ丈では精密に其物を示めすことが出來ない。如何なる物も一面から見れば男性である樣だけれども一面に於ては女性の處もある。此複雜なる意味を示めすには如何せば可なるか。爻を積むより外はない、此に於て