コンテンツにスキップ

Page:EkiToJinsei.djvu/37

提供:Wikisource
このページは校正済みです

のために說いた所と同樣である。禍中に福の機あり、福中に禍の機がある。之を洞察するのが人間に取つて最も必要なることである。此れさへ出來れば則ち如何なる困難に遭遇するも捲土重來の勢を挽回することが出來る。陰中陽陽中陰は此くて極めて興味ある處の主旨である。

 周易の本文には此く迄遙か說明した處はないが「物窮必通」といひ、「陰陽相倚」といふ思想があるから詮じ詰むれば則ち陰符經の意味になるのであるが、易を讀むで此處迄應用出來れば則ち最も善く其效を認めることが出來るのである。

四 八卦六十四卦生成の理

イ 易は中央亞細亞の產

 易の哲學を論述する順序としては之れが第一章にあるべきなれど