Page:EkiToJinsei.djvu/17

提供:Wikisource
このページは検証済みです

とすれば今いふたやうな順序に直すことが出來る。夫で先づ一段落である。

ハ 周易の價値

 ソコで周易といふ書物は如何に利用すべきかといふ段になる、元來周易といふは元卜筮の書であるといふ人もあるが夫は別として一種の處世上の訓戒として解釋する方が面白いかと思ふ。其卜筮を排除して全く處世訓道德訓として後に今學理的に排列された者を應用することが出來る、どういふ工合に應用するかといふと自分が今度結婚しやうと思ふ。其時には今迄はトひで卦を出して周易を的テにしたがさうでなく結婚の處を開いて見て昔しの聖人は何と云つて居つたか夫を參酌する、又は戰をする時には戰さの卦を見ると戰さに關する心持が分かる。又朋友と交際する場合にもさうである、矢張其處を開いて見て交際のことも知るといふ樣になる。斯樣な工合に見る時は易と