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Page:Bushido.pdf/223

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るに甘んじ、女子少小にして業に自己を棄つることを知る。其一生を擧げて自主の人たらず、却つて他に隷從奉仕せり。男子の配偶となり、其の在るによりて、夫を補佐するを得ば、側に侍し、其の事に妨ぐることあらば、屛後に退く。靑春の男子の少艾を慕ふや、女も亦た報ずるに熱切の愛を以てすと雖、若し女子の故に男子の其義務を忽にするが如きことあらんか、女子の自から其美貌を損して、以て男子の愛を失はんことを欲したるの逸事尠からず。武士の女子が理想の妻たる吾妻あづまは、仇し男の慕ふ所となり、我愛を獲んが爲に、良人の命を殆くせられんとするや、自から亦た不義に與するに託し、闇夜竊に良人に代り、而して熱情ある刺客の刄は、其堅貞なる首に下りたり。