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曰く變、七に曰く專、法を立つるは一に曰く受、二に曰く法、三に曰く立、四に曰く疾、五に曰く其服を御す、六に曰く其色をひとしくす、七に曰く百官宜しく淫服なかるべし、凡そぐんは法をしておのれにあらしむるを専といふ、下と法を長るゝを法といふ、軍に小德なく戰に小利なく、日に行を成す微なるを道といふ、凡そ戰は正うして行はれざれば則ち事専らなり、服せざれば則ち法あり、相信ぜざれば則ち一なり、若し怠れば則ち之を動かす、若し疑へば則ち之を變ず、若し人、上を信ぜずんば則ち行それふたゝびせず、古よりの政なり。


嚴位第四

 凡そ戰の道、位は嚴ならんを欲し、政は栗ならんを欲し、力はかろからんを欲し、氣はしづかならんを欲し、心は一ならんを欲す。凡そ戰の道、道義をひとしくし、卒伍を立て、行列を定め、縱橫をたゞし、名實を察し、立ちて進むは俯し、坐して進むは跪き、畏るれば則ち密に、危ければ則ち坐し、遠き者之れを見れば則ち畏れず、ちかき者視ることなければ則ち散ぜず、位、左をり右甲をる、坐して誓ひ徐かに之れをる。位、徒甲におよんではかるに輕重を以てす、馬をうごかし徒甲をさわがし畏るゝも亦之れを密にす、跪坐坐伏せば則ち膝行して寬に之れに誓ひ、起ちて譟鼓して進めば