Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/140

提供:Wikisource
このページは校正済みです

心ばせ今更思出て

    月さえよ明智が妻の噺せむ

     湯尾峠

    月に名をつゝみ兼ねてや疱瘡の神

     氣比の明神

    月淸し遊行の持てる砂の上

    衣着て小貝拾はん色の月

     越人へ

    男振水のむ顏や秋の月

    鎖明けて月さし入れよ浮見堂