想の乏しきに依る。之れを指導改善すること肝要なり。
六、アイヌは舊土人保護法に依り、土地を支給せらるゝ等恩典に浴するも、其の生活は未だ良好の域に達せず。「衣食足りて禮節を知る」との格言あれば、彼等の活計を根本的に改善すべし、衣食足るに至らば敎育も、とみに擧るべし。
七、舊土人の進步發展を殺ぐ大なる原因は依賴心の强きにあり。此の原因に付きては、或は歷史的なりと云ひ、或は保護法の保護の厚きに因ると論ずる者あれども、筆者は歷史的は別として保護法に因るとは信ぜず。何となれば、同法實施以前より生じたるものなればなり。
其の最大原因としては、彼等に文字無く、現今にても無學なる